2020年の3月以降、「自粛」とか「STAYHOME」というムードの中でSNSやオンライン通話で誰かと意図的に近況などを話す場を作ることはできますが、今までのように「あそこに行ったらたまたま会ってさ」みたいな偶然的な出会いが起きづらくなっちゃった。(そこが素晴らしいところなのに)

 

[ A.N.D.NOW ]では、日々モノを作ったり遊んだりしている人々に今どんな生活をしていて家で何を考え何を見ているのか。日本はどーなっていくと考えているか、少し話を聞いてみました。

 

芸能人やニュースキャスターや専門家じゃなくって少し距離の近い、みんなの2020年5月。

人間は慣れるしいとも簡単に忘れてしまう。これから先の不安定な、だけど必ず来る未来の為に。覚えておきたいことがたくさんあります。

11人目の[ A.N.D.NOW ]はsauce81。生々しいグルーヴィーなマシンの演奏と自身の歌声で国内外の音楽ファンを魅了しているアーティストだ。音楽家として活動するということは時間をかけて楽曲を制作しリリースすること以外にも、ライブは大事な活動で収入源となる。sauce81は2011年の震災後からライブに力を入れていたという。楽曲の素晴らしさはもちろんのこと、彼のグルーヴのある歌声や生の演奏はライブで光り輝くのだ。しかし現在はライブハウスもクラブも営業自粛しており、夏にある大きなフェスティバルはどんどん延期や中止となっている最中。5月現在、緊急事態宣言は解除されたが、集うことを禁止されている中でミュージシャン達は配信という手段を駆使したりbandcampなど作品の直売をできるサイトを使いリリースを続けている。きっとアーティストとしてアフターコロナを生きる術を思考をしているに違いないと思い、インタビューを試みた。

Q

お名前と、肩書きなど教えてください。

sauce81

音楽家

 

Q

新型コロナウィルスによって現在どんなふうに過ごしていますか?

9時頃起きて、午前中に軽く走る日もあれば、スーパーに買い物に行く日もあって、昼飯食べて午後は曲作ったり楽器の練習したり。18時頃晩飯~風呂、また曲作ったりして寝るのは2時頃。合間に家事をしたり子供と遊んだりしてます。

Q

2はコロナ前とどう変化しましたか?

もともと平日は基本的に家で曲を作ったり、ライブの準備をしていたので大きくは変わりませんが、週末のイベントや人に会う機会がなくなって正直あまりメリハリがないです。ただ週末に深夜イベントに行かなくなった分、生活リズムが安定して、年明けから走り始めたのも相まって、長年苦しんで来た睡眠の悩みも改善されて体調はとても良いです。

 

Q

コロナ収束後の世界はどうなっていくと思いますか?

(ご自身の活動含め、世の中の仕組みや、ライブハウス、クラブなどの存在など)

今、無観客で配信を行なっているクラブやライブハウスの営業が再開されたら、それなりにキャパのある箱は試聴程度でも良いので何かしらの形で配信を(できれば無料で)継続していく(べきだ)と思っています。誰もがネットで情報を得る時代にあって、調べ物をした時に動画がある事によって得られる情報量の多さから理解度や安心感が格段に上がりますよね。配信で満足する人は元々あまり外に出掛けない人かも知れませんが、普段現場に行きたくても行けない人や遠方の人はいつか訪れてみたいと思うかも知れないし、まだクラブに通えない世代にとっては予習にもなります。各会場やシーンの音楽性の違いなどに関する理解やクラブに通わない人の理解も進んで良いかも知れません。特に観光客は遊ぶ場所を探しているわけですから、動画でイベントの音楽性や会場の雰囲気が分かると、文字情報しか無い場所に比べて圧倒的に足を運びやすくなるはずです。小箱に関しては再開後の配信が必須だとは思いませんが、配信をしている、または逆にしていないことを意識的に売りにするお店で線引きができてくる可能性もあるのかなぁと思います。

 

PCやスマホの画面で映える内容にしていかないといけないし、視覚的にパフォーマンス性の高い者が強い世界が今以上に出来上がると思います。音響面に関しては日本の住宅事情を考えるとクラブやライブハウスで体験出来るようなサウンドシステムを各家庭で備えるのは現実的ではなく、多くの人にとって家庭でより優れた再現性を求めるとヘッドホンと、部屋を暗くして映像(プロジェクターor VR)を観るのが現状では限界ではないかと思います。やはり現場での体験を基準にすると、出来るだけ身軽に踊りたいのは当然で、装着する物の小型化・軽量化・ワイヤレス化が現場での体験のクオリティを目指しながら推進されるのではないかと。いずれにしても、会場のサウンドシステムを各家庭で再現するのはスピーカーやアンプだけの問題ではなく部屋の音響特性や防音が適切に処理されていないといけないので、そこを目指すと個人宅ではなく新たな箱を作る事になり、結局現場の重要性は変わらないということに行き着くのでは無いかと思います。

Q

ご自身の活動は変わっていくと思いますか?

自分はどちらかというと聴覚に重きを置いて音楽をやってきたつもりなのですが、そんな自分が視覚的な情報量に溢れた競争の中で正面から勝負するのは容易な事ではないと感じています。これまでもレコードのアートワークに関しては青山宗央や小田佑二と言った素晴らしいアーティストと一緒に作品を作らせて頂いてきましたが、動画を含めた視覚情報やプロモーション強化の必要性を以前から感じていました。テクノロジーを駆使して個人でなんでもできる時代ですが、自分の苦手な部分を助けてくれる仲間とかチームがいたら良いなぁと思っています。自分はより音楽自体にのめり込んでいけるようにしたいです。

自宅スタジオでドラムの練習をしている様子を友人に送ろうと思って撮った動画の静止画です。

Q

ジャンル問わず「アーティスト周り」の人々の今の動き方、次のアクションはどんなものになると思いますか?

何か動いていることがあればそれも教えてください。

オンラインでの活動が増えていますし、それが全ての人にとって今後もメインの活動になるかは分かりませんが、より多くの人が選択肢の1つとして意識する切っ掛けになったと思います。ユーチューバーとかインスタグラマーとかある意味先を行く人たちも山程いるし、自分の繋がりだけでもチャンネルがたくさん増えたので、やるならコンテンツの内容と興味を持ってくれる可能性のある人たちにどうやって届けていけるか考えないとですね。自分もストリーミングのオファーがあったりするので自宅から気軽に対応できるようになったら良いなぁとは思いつつも、ストリーミングに適した内容にできるかはやってみながら模索するしかなさそうです。前述の通

り得意な分野ではないので誰かにお力添え頂かないといけないかもです。それと自分は今まで作品を配信だけでリリースするのはあまりして来ていないのですが現在準備中です。

 

Q

この状況(自粛/stayhome/人と直接会えない)みたいな中で何か今までと違うものは見えましたか?

外に出たり人と会ったりする事が気分転換になることはもちろんですが、想像していた以上にインスピレーションにもなっていた事を強く感じるようになりました。良いライブや音楽の話ばかりでなく、自然の中の穏やかな体験や友人と温泉に行ったり、何気ない会話の残り香みたいな物を持ち帰ったのが音楽にフィードバックされたりしていたんだなと。

質問の意図と合っているか分かりませんが、、感染症が拡大した時に人が集まるライブやイベントはできないから仕事ができない音楽家はたくさんいますよね。その上、命に関わらないし、好きでやってるんだから補償しなくていいという意見もSNSで多数見受けられてとても辛かったです。でも、医療以外のライフラインや生活必需品が基本的には整っていて自宅に長く居なければならない今回のよう状況を過ごす上で多くの人が音楽や映像作品を視聴したりすると思います。映画や音楽番組でなくとも、バラエティやCMはもちろん、ニュースでさえ音楽が使われているし、スーパーや駅と至る所で音楽が使われています。現代人は既に音楽の魅力を知っているから鳥のさえずりや川のせせらぎだけでは満足できず、既存の楽器をこの世から全て消し去っても誰かが直ぐに手を叩き歌い始めるはずです。音楽は癒してくれたり、高揚させてくれたり、日常を何気なく彩ってくれたりするだけでなく、他の多くの業種と同じ「仕事」であり、社会の中で経済を回す歯車にもなっていることが十分に認知されていないことを痛感しました。何から始めて良いかも分かりませんが、日本において文化の重要性をもっと伝えていく必要性があることを感じています。

 

 

Qソーシャルディスタンス / オンライン通話 など物理的に会ったりできなくなったことでの精神的な距離感を感じますか?

音楽に没頭する為もともとひとりの時間がけっこう必要な方なんですが、やっぱり好きな人たちに直接会えないのは寂しいですし、音楽もやっぱり人とシェアしてこそだと思います。バンドで一緒に音を合わせたり、ひとりで家で作ったとしてもそれを誰かに聴いてもらったり。ひとりでスタジオにこもって居ても、この曲にあの人のベースを入れてもらいたい、この人にリミックスをお願いしたいとか、これまで以上に仲間への思いが強くなってる気がします。

先日リリースした Sauce81 / S8100

"Nervous Breaks & Galaaactique Beatstrumentals" Selected & Re-Editedby DJ KENSEI 

Q

自分の身の回りで仕事がなくなった人間がいたり潰れてしまった店がありますか?

音楽関係の人たちは皆仕事がまともに無いですよね。極々身近な人達はまだなんとか大丈夫そうですが、クラブやライブハウスなんかはいつ営業をまともに再開できるか分からない中でクラウドファンディングをしたりしてますから、設定した目標金額がそもそも十分なのか分からないので心配です。

Q

コロナで「自由に外に出て人に会うことができない状況」になった時に音楽を作るアーティストとして音楽を作るという行為の意味は変わりましたか?

音楽とは無縁の家庭に生まれ育ちましたが、子供の頃から音楽自体はもちろん、楽器や機材に対する憧れがあり、できることなら音楽を仕事にしたいという思いを秘めていました。いつしか音楽を作ることは自分にとって喜びであり、セルフメディテーションにまでなっていて、十分に音楽に取り組む時間が取れないと精神的にバランスを保つ事が難しい必要不可欠なものになっていたことに気付きました。とはいえ直ぐにシフトできた訳でもなく、制作の仕事で納品までして逃げられたりと嫌な思いを立て続けにしてからしばらくは結局自分の好きな物しか作らずに地道にやって来ました(今でこそたまに映像物のお仕事とか頂くことはありますが)。そしてやっとこれからという矢先の2011年の震災で「電気がなくなったら自分は音楽家として価値が無いな」と考えさせられてしまい、それまで以上に歌と楽器を生身で奏でる事を強く意識するようになりました。音源の売れない時代にライブに積極的に取り組んで来たら今度はコロナでクラブ、ライブハウスが営業できず、フェスも中止に。特にこのタイミングで制作のオファーもないので収入はありませんが、自分で音楽を作ってオンラインで簡単に売ったり、配信したりすることはできます。どれだけの収入になるかは分かりませんが、そういう選択肢が当たり前にある時代だというのは有難いことです。いずれにしても、音楽を作ったり、楽器を弾いたり、機材をいじったりする事はこんな状況でも自分にとって変わらず喜びであり、セルフメディテーションとなっています。

 

 

 

Q

インターネットで見つけられるものでオススメのものはありますか ? リンクがあればそれも教えてください。

 

mabanua Drum Lecture #1 揺れについて

https://youtu.be/PEeXLjw_PDc

mabanua Drum Lecture #2 リズムキープのコツ

https://youtu.be/f6W_pwki5Gw

Q

最近何か買いましたか?

ドラムセットを半年前に購入して、ずっとハイハットだけなくて代わりにタンバリンをスタンドに引っ掛けて叩いてたんですが、自粛期間に入ってから念願のハイハットを購入しました。毎日のようにドラムを叩いてて少しは上達してきました。

 

 

 

Q

美味しいテイクアウト / デリバリーなどあれば教えてください。

近所にあったら利用したいのは名古屋に今年3月にオープンしたばかりのclub GOODWEATHERのフードで、パスタがめちゃくちゃ美味そう!頼むチャンスを逃し続けてるのは、虎子食堂のロティサリーチキン+ローストポテトが定期的に東京・神奈川エリアを回って来るのでインスタでスケジュールをチェック!それとNICKJERKYの神戸ビーフジャーキーはマジで美味い!

club GOODWEATHER

https://www.goodweather.org/   TAKEOUT

虎子食堂

https://form.run/

@toranokoshokudo

NICK JERKY

http://shop.jerky.jp/

 

Q

今、どんなサービスがあったらいいと思いますか?

MySpaceの衰退以降、SNSの使い方に苦慮して来たので、既存の物とは違う音楽愛に溢れた牧歌的なSNSがあったら良いなぁと思います。それがどんなものなのか具体的にはイメージできていませんが、現在主流のSNSを利用して音楽活動を発信する上では、それぞれに適した形で同時に投稿できるシステムがあったら助かります。現状各サービスを連携させた投稿だとメインのSNS以外はリンク扱いになり最適化されていないと感じるので、文面や写真が同じでもそれぞれに直接投稿されるだけで地味ですが感じ方は違うし、情報を発信する側はかなり楽な気がします。もちろん、各SNSの特徴があるのでハマらなかったり、失われる物もあると思いますが、正直

MySpaceほどハマっているものがないので。それ以外だと、自分自身を含めた人間の記憶というものをあまり信頼していないのですが、責任ある立場の大人が記憶だけでなくあまりに容易に記録も無くしてしまうものですから、政見放送だけでなく、政治に関わるのその他会議や打合せなんかもオープンにストリーミングしてアーカイブしたら良いんじゃないかと思います。

 

 

 

Q

今何か告知することやメッセージなどあればお願いします。

ネットの優位性がこれから更に増して行くのは間違いないのですが、人間が肉体を有する陸上の動物であることを放棄しない限りはフィジカルな体験の大切さや面白さは揺るがないと思っています。依存し過ぎた時に必ず落とし穴があると思うし、何でもオンラインにあれば良いわけじゃないと思うけど、ネットやデジタルツールを上手く活用しフィジカルな活動が豊かになるよう、どんな状況でもそれぞれが生活を維持しながら好きなように感じたように生きていければ良いんだと思います。

sauce81 (N'gaho Ta'quia / 77 Karat Gold)
sauce81としてUKのEglo Recordsをはじめとした国内外のレーベルからコンスタントにレコードをリリース。N’gaho Ta'quia名義や、grooveman Spotとタッグを組んだ77 KaratGold、Shing02とのプロジェクト『S8102』など、複数のユニットとしても作品をドロップ。更にMark de Clive-Loweの呼び掛けで集まったバンドRonin Arkestraにも参加するなど、ジャンルや形態に捉われない活動を続けている。 Red Bull Music Academy に招待されて以来、国内外多数のイベントやフェスに出演。Rainbow Disco Clubから始ったSOICHI TERADA ×
KUNIYUKI × SAUCE81のライブセッションは、ダンスミュージックのパフォーマー同士のセッションの可能性を示しながら、イギリス、フランス、オランダといった国々のフロアも湧かせている。また、ceroの楽曲にドラム・プログラミングで参加し、リミックスも提供。2020年にはShohei Takagi Parallela Botanicaの1stアルバム『Triptych』を髙城晶平と共同プロデュース。マシンを駆使し、歌やシンセのループをリアルタイムで組み上げて行くファンキーでソウルフルなライヴは必見だ。

https://www.facebook.com/sauce81
https://www.instagram.com/sauce81

 


sauce81 (N'gaho Ta'quia / 77 Karat Gold)
With raw beats, warm and ruff synth, rugged instrumentation and soulful vocals, sauce81 brings deep funkness into his machine grooves. After releasing singles and remixes on various labels, his two 7inch singles "Natural Thing" and "Dance Tonight" on Alexander Nut & Floating Point's consistently excellent label Eglo Records gained a lot of attention worldwide. He also dropped the album "In The Pocket" under his N'gaho Ta'quia alias, as an homage to his musical roots from the 70's funk, soul, jazz music and blaxploitation movie soundtracks, with psychedelic synth sounds and soulful vibes driven by dirty fat beats. Took part in Red Bull Music Academy
2008 Barcelona and has performed at Sonar Sound Tokyo, Do Over, 5 Years of BoilerRoom, Rainbow Disco Club, Wonderfruit and many other music festivals, events touring worldwide. SOICHI TERADA × KUNIYUKI × SAUCE81 Live Session at Rainbow Disco Club(JP), ADE 2018(NL), Warehouse Project(UK), Japan Connection(FR) has been an epic performance showing new possibilities for electronic/dance-music performers to jam with each other on machines. Also known as 1/2 of 77 Karat Gold: a collaboration project with Grooveman Spot on Jazzy Sport. In 2015 they delivered a package with their diverse styles of electronic funk and groove science in their debut album "WANNAFUNKWITU". In 2018 he launched a sci-fi space trip soundtrack “S8102" with Shing02. Lead by Mark de Clive-Lowe he became a member of Ronin Arkestra, a group consisting Japanese jazz and electronic musicians forming their debut album “Sonkei” in 2019. Japanese sub-cultural Indie-pop band Cero’s front man Shohei Takagi invited sauce81 to co-produce his solo debut album “Triptych” as Shohei Takagi Parallela Botanica. His funky and soulful machine live set triggering beats, looping synth, bass, keys and singing over the tracks, and mixing the songs like a DJ is a special one to check out.


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