2020年の3月以降、「自粛」とか「STAYHOME」というムードの中でSNSやオンライン通話で誰かと意図的に近況などを話す場を作ることはできますが、今までのように「あそこに行ったらたまたま会ってさ」みたいな偶然的な出会いが起きづらくなっちゃった。(そこが素晴らしいところなのに)

 

[ A.N.D.NOW ]では、日々モノを作ったり遊んだりしている人々に今どんな生活をしていて家で何を考え何を見ているのか。日本はどーなっていくと考えているか、少し話を聞いてみました。

 

芸能人やニュースキャスターや専門家じゃなくって少し距離の近い、みんなの2020年5月。

人間は慣れるしいとも簡単に忘れてしまう。これから先の不安定な、だけど必ず来る未来の為に。覚えておきたいことがたくさんあります。

今回の[A.N.D. NOW]はロンドンを拠点に活動するメイクアップアーティスト、NAMI YOSHIDA。イギリスは現在新型コロナウイルスにより、感染者数24万人強、死者数は3万人を超えている。3月末には都市封鎖、ロックダウンし、罰金を伴う厳しい外出制限により家から出られない状況が2ヶ月ほど続いた。日本とは違う国の政策と文化の中、ファッションの第一線で活躍しているアーティストの彼女は今のステイホームで何を考え、どのように過ごしているのだろうか。

Q
お名前と、肩書きなど教えてください。

吉田奈未。メイクアップの仕事をしています。

 


Q
新型コロナウィルスによって現在どんなふうに過ごしていますか?

起床時間から就寝までの平均的な時間割を教えてください。

7時 - 11時に起床。

ニュースをチェックする。

コーヒーを淹れて、育てている大根の葉に水をあげる。

昼食の前にピラティスをする。

昼食を作って食べた後、インターネットをしたり、整理整頓したり、考えたり、作ったり、書いたりをして時間を過ごす。

最近は カツラ植えの道具を使って、 毛を植えることをしています。1本1本植えているとなんだか落ち着きます。

夕方、陽がなくなる前に窓の側で日光浴。

一緒に住んでいるパートナーが作ってくれる夜ご飯を美味しく食べたあと、寝る前に本を読んだり、動画を観たり。

買い出しは1週間に1回か、2週間くらい外に出ないこともあります。


 


Q
2はコロナ前とどう変化しましたか? ロンドンの空気感なども教えてください。

コロナ以前は、とにかく目の前の仕事をしていました。この早すぎる流れをどうにか止めたかったら、この時間は貴重な時間になっています。

 

ロンドンの人達は、ポジティブに自分で考えて行動しています。

寄付をしたり、ボランティアをしたり、 暗い中にも明るいニュースがある感じです。

クリエイティブな動きもたくさんあって、メディアも動き続けています。そういった動きがとても早かったなと思います。

これを書いている今現在は、隔離生活が2ヶ月になって、数日前に規制が緩和されました。不要不急な外出をする人も増えてきているように思います。

マスクをしている人が少ないです。 まだまだ死者が出ている状態で油断は全くできない状態です。

今はみんながどうゆう行動をとっていくかの分岐点のような感じで、これからまたどんどん変わっていくと思います。私自身はまだまだ慎重に見ていて、家でできる事をする事にします。

Q
ご自身の活動は変わっていくと思いますか?

思います。今回の件で、より思いやりというものを考えました。日本の奥行き、間とか空気を感じる文化を恋しく思いました。

Q
ロンドンのムードとしてメイクや写真などジャンル問わず「アーティスト」の人々の今の動き方、次のアクションはどんなものになると思いますか?

 

どんなものになるのですか?と逆に色んなアーティストに聞きたくなる。

私は自分の事でしか話せないけど、それぞれ別の動きをするだろうし、全体のムードは見えなくなるのではないかと思います。

例えば、 ファッションでは、サスティナブルとか、optimistic みたいな事が今の響きのような気がするけど、本来ならすごく素晴らしいけど、その言葉が流行りになっちゃうと違和感を感じる。今の社会は、いい意味でも悪い意味でも情報を伝えやすくて、表面的な意味で捉えられやすい。こうゆう事が、言葉だけで伝わると残念な気がする。だからこれからは深くゆっくり時間をかけて、それぞれの何かと向き合っていくような事だったり、時間をかけて それぞれの大切な場所に還元していくことになるのでは。それはきっと簡単に言葉で理解できない事だったり、もっと深く感覚に響くものというか。そうなったら全体のムードは見えなくなるか、関係なくなるのではないかという、自分なりの希望です。

育てている大根の葉

Q
日本の情報はどんな風に届いていますか?

日本から届くニュースの中には、いい情報はあまりなかったから、最初はたくさん戸惑いました。

 

ヨーロッパでもイタリアでコロナが広がる前はみんなあんまり気にしていなかったし、

中国の武漢だけで起きている時はほとんどの人達が、人がたくさん亡くなっているのに 、遠く離れた国の話だと思っていたように思います。

 

ヨーロッパではその時アジア人を差別していたし、私を含め、自分たちは罹っていないと思っていました。

 

緊急事態宣言が出る前、しばらくは日本もそんな風に世界を見ているように感じました。

3月の中旬辺り、ヨーロッパではすでに最悪の状況になっていたから、日本から聞く情報、家族、友人と話していると本当に心配になったし、 怒りを感じる時もありました。

当たり前だけどみんな同じようには時間が流れていないわけで、

身をもって、色んな人たちが色んな考えがあると知ったし、どう社会と関わっているのかを知る機会になりました。

社会は複雑で、国の対応には避難すべき部分があるかもしれないけど、きっと最後は個人がどう行動するか。助け合って、守りたいことを守っていくのが大事なのだなと、感じています。

Q
コロナで「自由に外に出て人に会うことができない状況」になった時になみにとって「メイク」や「ものを作る」という行為の意味は変わりましたか?

今までは、メイクがイメージに繋がる空間に自分にとって意味がありました。でも今は誰かに直接メイクができない状態で、ちがうものを媒介としているけど、その空間を求める行為は変わっていないと思います。

Q
ソーシャルディスタンス  / オンライン通話 など物理的に会ったりできなくなったことでの精神的な距離感を感じますか?
それは余計に愛おしくなった、楽になった部分もある、など

人との距離感であんまり違いを感じていないです。 いろんな場面とか人が浮かんでその時を恋しく愛おしく思うことはあるけど、もう少し空間的に捉えているようなところがあって、繋がっている人とは繋がっているような気がしている。というか全部繋がってる、、だからこうゆう状況の方が疎外感を感じずに全体と繋がっているような感じになる。家族とか友達には何か心配になった時は直ぐに連絡をするけど、こういう状況になってもたまにしか連絡をとらない。元気でいてくれたらいいなと思う。あんまりzoom partyみたいな事をしたいと思わないから、やっぱり人付き合いは苦手なのだとおもいます。でもたまに誘われると嬉しいです。笑



Q
インターネットで見つけられるものでオススメのものはありますか ? リンクがあればそれも教えてください。
YouTube でPrimitive Technology の動画。あとはNetflixでもののけ姫とマイケルジョーダンのドキュメンタリー 。

あとは五十嵐大輔さんの漫画をBookliveで読んでいます。

Q
最近何か買いましたか?

 

電子書籍。

あとはコーヒーミル、ミニヤカン、ドリッパー、コーヒー豆 。

Q
コロナ収束後の世界はどうなっていくと思いますか?

ロックダウンの初めはコロナ後にどんな世界になるのだろうと考えたけど、 考えても結局わからなかった。変わる人と変わらない人の差が増えていくだけで、それが埋まっていくことはないのかもしれない。もっと優しい世界になったらいいなとは思います。自分もそうなりたい。

 

この先、全部の感覚で感じる世界がより大切になってくるのではないかと。 私自身もっとそういう部分で触れていきたいなと感じています。

家の中でぼーっと外を見てた時

Q
美味しいテイクアウト / デリバリーなどあれば教えてください。

ダルストンのUmut 2000

トルコ料理店です。ロンドンに住んでる人は是非。

もう一つ、Dark Arts Coffeeのコーヒー豆。ロンドンのHackneyのお店の豆なのですが、葉山にも店舗があるみたいで、日本でもデリバリーが可能かも。とにかく美味しいです。
 



Q
今、どんなサービスがあったらいいと思いますか?

サービス、今思いつくことはないけど、この消費と競争が肥えすぎている社会はどうにかしたい。

自分が今知らなくて、リスペクトできる動きをしている人がきっとたくさんいるのだなと思いました。 もっと勉強していきたいと思います。

Q
今何か告知することやメッセージなどあればお願いします。

皆様、健康でいてください。

吉田奈未 / NAMI YOSHIDA

愛知県出身。

2011年からロンドン在住。Bryant Artists 所属。

https://www.bryantartists.com/make-up/nami-yoshida/portfolio/

INSTAGRAM : @namiyyy

Profile pic by Yusaku Aoki

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