2020年の3月以降、「自粛」とか「STAYHOME」というムードの中でSNSやオンライン通話で誰かと意図的に近況などを話す場を作ることはできますが、今までのように「あそこに行ったらたまたま会ってさ」みたいな偶然的な出会いが起きづらくなっちゃった。(そこが素晴らしいところなのに)
[ A.N.D.NOW ]では、日々モノを作ったり遊んだりしている人々に今どんな生活をしていて家で何を考え何を見ているのか。日本はどーなっていくと考えているか、少し話を聞いてみました。
芸能人やニュースキャスターや専門家じゃなくって少し距離の近い、みんなの2020年5月。
人間は慣れるしいとも簡単に忘れてしまう。これから先の不安定な、だけど必ず来る未来の為に。覚えておきたいことがたくさんあります。
[ A.N.D.NOW ]二人目はANAGRAのクラウドファンディングでアートワークを提供してくれたUC EAST。
大阪に住む彼女は音楽シーンとの親交も厚く、3月にリリースされた大阪 心斎橋のClub STOMPのコンピレーション・アルバム『The Encounters 』のジャケットも彼女のアートワークが使われている。日々SNSなどへの発信で、国への政策や対応に怒りをあらわにしている彼女。東京と大阪の温度感なども気になったのでメールインタビューをしてみることにした。
売れ残った花を自宅に迎えました。
Q
お名前と、肩書きなど教えてください。
UC EAST
絵描き
Q
新型コロナウィルスによって現在どんなふうに過ごしていますか?
起床時間から就寝までの平均的な時間割を教えてください。
昼頃起床→植物の水やり→食事→昼寝→食事→漫画読む→アニメかお笑いを流し見しながら絵を描いたりダラダラ→深夜就寝
Q
1はコロナ前とどう変化しましたか?
基本的に生活ルーティンは変わらず。
ライブペイントやフライヤーデザインが主だったので。そっちの仕事は減ってますが、支援グッズなどを頼まれる事が増えました。
とにかく現場が残って欲しいので、出来ることやれたらなと。
あと人と全く会わなくなったし、この現状なので連絡をとった時の会話がコロナ関連ばかりになってしまい、本当に自分はボキャブラリーがないなとヘコみます。
お酒も全く飲まなくなった。とにかく食べてる。けど全然健康的にならないのはなんで?笑
あと毎日、官邸と自民党の意見フォームに意見を送るのが日課になりつつある。
Q
コロナ収束後の世界はどうなっていくと思いますか?
弱者は見捨てられ知恵と金がある奴が生き延びる。
という世の中に急速になっていきそうでとても悲しく恐ろしいので、何かしら行動していかねばなと考えてます。
まだ思考中。
Q
ご自身の活動は変わっていくと思いますか?
変わらずコミュニケーションツールですが、何が出来るのかは考えていきたい。何か変わりたいのでこの自粛期間にレベル上げに試行錯誤中。
Q
UC EASTは大阪に住んでいますが、「大阪モデル」は東京から見ると結構攻めていていいか悪いかは別として「頑張っている印象」があります。実際、UC EASTの周りのアーティストや割と後回しにされてしまっているクラブ、ライブハウス周りの人間は一体どう捉えていますか?
周りの人はどう考えてるか知らないんですが、個人的には"頑張っている印象"を与えるためだけのポーズに感じてます。連日関西の番組に出て乱暴な強めの発言をするだけの扇動政治にしか思えません。大阪モデルという名前だけに騙されるのもどうかと。私たちの思いを叶えたいという風には全く思えません。一般市民の声を雑に扱い強引なだけの維新も、そこに加担してさも英雄のように仕立て上げるメディアも下劣で心底気持ち悪く思います。
Q
UC EASTがジャケットをやったストンプのコンピレーションアルバムについて教えてください。
Hypnotic inc.ことSHINDOくんが発起人となって始まりました。STOMPで活動してるDJやオーガナイザー何人かでSTOMPにゆかりのあるアーティストにお願いして曲を提供してもらってます。それぞれが呼びかけることによってSTOMPらしいジャンルレスなメンツになったと思います。参加してくれたアーティストの人もほとんどが二つ返事でOKしてくれました。
もちろん信頼しているアーティストに頼んだのですが想像以上のクオリティに製作委員会もブチあがってました。本当に内容が良くて。ドネーションきっかけで始まった企画ですが、それよりもまず内容を聴いてほしい!!
6月にはフィジカルで特装版も出ます。
https://clubstomp.bandcamp.com/releases
特集ページ
『The Encounters』大阪 心斎橋 Club STOMPドネーション企画としてコンピ『The Encounters』を配信中
Q
UC EASTはANAGRAの「クラウドファンディング」でもアートワークを提供してくれました。
「クラウドファンディング」という手法は比較的みんな使い始めています。それに対してのみんなの反応はどうですか?
(一部、「クラウドファンディングって手法はDIY / inndependent な思想から外れる」という意見が多くあります)
私を含めた周りはクラウドファンディングやってくれてよかった!という意見がほとんどですね。あの場所は大丈夫かな?とみんな気にはなってたんじゃないかと。
本来は政府が補償するべき事で、個人が被るのはどうなんだろうとも思いますが、政府の対応を待ってると潰れてしまうのが現状。クラウドファンディングやる側、支援する側の思いは未来を考えた素晴らしい行動と思うので否定したくありません。でも個人の支援には限界があるので国はそんな国民同士の善意に甘えんなと思います。
ANAGRAのクラウドファンディングで提供してくれたアートワーク
Q5
コロナで「自由に外に出て人に会うことができない状況」になった時に「絵描き」として「絵を描く」という行為の意味は変わりましたか?
絵を描いててよかったなと改めて思いました。絵を提供する事で気持ちが救われたというか。
でもやればやる程自分の実力を目の当たりにするのでもっとスキルアップしたいと思います。
Q
インターネットで見つけられるものでオススメのものはありますか ?
アニメだとこの間見た"映像研には手を出すな!"で泣きました。作る事に関わってる人はグッとくるんじゃないかと。
あとハイキューはアニメと漫画、両方とも最高です。
漫画は家にも大量にあるんですが、アプリとTSUTAYAのレンタルで補完してます。同時進行で読みすぎて何をおすすめしていいのか分からない。映画はサブスクだとUNEXTが作品数がダントツ多いと感じました。あとアニメならFODが特化してます。
Q
最近何か買いましたか?
家庭菜園用の苗と観葉植物数種類
猫の牙が知らぬ間に折れてなくなってました。チャームポイントだったので悲しい。
Q
美味しいテイクアウト / デリバリーなどあれば教えてください。
atmosphareのチキンオーバーライス。
あまりテイクアウトしないので分からないですが、最近は友人のお店も試行錯誤してテイクアウトなどを始めてるので応援したいです。
Q
こういうのあったらいいなーとかってありますか?
人と接触していい環境。対面で人と会える世の中。弱者に優しい世界
Q
この状況(自粛/stayhome/人と直接会えない)みたいな中で何か今までと違うものは見えましたか?
当たり前のことが当たり前じゃなかった。未来を見据えるためにはあまりにもハードな現状。人災とも言える日本政府の対応。今まではとにかく目の前の問題をクリアしていくだけでしたが、もっと先のことを考えて生きていかねばならないのかと思うとゾッとします。
Q
物理的に会ったりできなくなったことでの精神的な距離感を感じますか?
愛おしくなったのもあるし、楽になった部分もある。今まで連絡をマメにとったり、誘ったりあんまりしてこなかったんですが、周りに甘えてたなぁとつくづく思います笑
Q12
今何か告知することやメッセージなどあればお願いします。
とにかく選挙にいきましょう!
あと収束したら乾杯したいです。
UC EAST
89年生まれ。画家、ペインター。06年、ライブペイントを主軸に活動を開始。
09年に初個展。以降、公開制作展やグループ展など作品展示にも意欲的に行う。
その他にも壁画、CDジャケット、zine、Tシャツ、フライヤーなどの作品を発表。
その時々により様々な手法で作品を制作している。
INSTAGRAM : @ uceast193