2020年の3月以降、「自粛」とか「STAYHOME」というムードの中でSNSやオンライン通話で誰かと意図的に近況などを話す場を作ることはできますが、今までのように「あそこに行ったらたまたま会ってさ」みたいな偶然的な出会いが起きづらくなっちゃった。(そこが素晴らしいところなのに)
[ A.N.D.NOW ]では、日々モノを作ったり遊んだりしている人々に今どんな生活をしていて家で何を考え何を見ているのか。日本はどーなっていくと考えているか、少し話を聞いてみました。
芸能人やニュースキャスターや専門家じゃなくって少し距離の近い、みんなの2020年5月。
人間は慣れるしいとも簡単に忘れてしまう。これから先の不安定な、だけど必ず来る未来の為に。覚えておきたいことがたくさんあります。
今回の[ A.N.D.NOW ]は、建築家とDJの2つの顔を持つSHUN HORIKI / shunhor 。
今年に入ってから仕事の関係で東京と富山の行き来を始めていたが、3月末から完全に拠点を富山に移した。東京とは違う環境に急に飛び込んだ彼は今どのような生活を送っているのだろう。また、コロナの存在は今後の建築にどのような影響を与えていくのか。クラブやライブハウスなど地下環境の解決策なども聞いてみた。毎週のように一緒に遊んでいたもんだから、引っ越して1ヶ月しか経っていないのにすごく長く感じる。
Q
お名前と、肩書きなど教えてください。
shunhor でDJして
堀木俊で建物を設計してます
Q
新型コロナウィルスによって現在どんなふうに過ごしていますか?
だいたい7時に起きて1時くらいに寝る生活していて、
ありがたくも仕事は普通にあるので(逆に増えてるかも)、基本家での作業をして、週に一回打ち合わせで山と田んぼの中に行っています。
起きてから仕事に切り替えるまでにルーティーンを決めていて、給湯→バナナ→珈琲入れる→youtubeのニュースチャンネルを流す→シリアル食べる→山を見ながら珈琲飲む→シャワー、この流れで仕事の頭に切り変えます。
午前は仕事、昼食は簡単に作って、午後仕事、夕方に自転車で徘徊して、家に戻って音楽聴いたり仕事の残りを終わらせて寝ます。
Q
コロナ前とどう変化しましたか?
東京にいないというのが、大きな変化でしょうか。
前から関わっていた富山で設計している建物の建設現場を監理するために、宣言発令前に会社から辞令が出て、富山に引っ越しました。
身一つでタイムリミット1週間でクイックに引っ越したので、生活の変化に戸惑っている時間もなく基盤が移ったのが大きな変化ですね。
あとは仕事場が家になったことです、これまで出張があっても日帰りで夜は会社に戻って仕事というルーティーンを8年していたのですけど、
会社に戻っていた理由は、会社の強いパソコンで作業したいからで、家にそれがあれば会社に行かなくてよいっていうのが単純にすごい発見でした。
Q
実際に住んでみて実感した東京と富山の違いを教えてください。
対策はしっかりしています、その分元々小さい市場規模でやりくりしている地方都市への経済打撃は、想像を越えるものだと思います。比較的中心に住んでいるのに、人がぜんぜん歩いてないんですよ。(いいことなんですが)
富山の人の県民性は、真面目と言われているだけあって、仕事を中心にした生活を送っている僕にとってはすごく心地居場所です。ただ、反面とても保守的な一面を持っているので、東京から仕事で参りましたという身分の自分はすごく神経を使います。
これまでは、「よくぞ東京からいらっしゃいました!」なんて歓迎だったのが、ああって2-3歩距離をとるみたいなw当然なんですけど、すごく精神的に苦しいですよw みんなは疎開しておいしいものばかりで!と思っているようですが、店もやっていないし、家に居るのは慣れない分本当につらい部分があります。
でも、スズキーマのスズキさん、元々県外から来た人でカレーもおいしい、短い時間でも話すことが出来てすごく救われています。
和紙の原料となる楮(コウゾ)の収穫を手伝った時の写真。名前は知っていたけど、姿を知らなかった憧れの楮に触れられて最高だった。気分が高まって楮の株の上にアンビソニックレコーダーを置いて、今まで楮が聴いていた周囲の音を録ろうと思った。
Q
この状況(自粛/stayhome/人と直接会えない)みたいな中で何か今までと違うものは見えましたか?
出張が多い仕事なので、周りから見て、よく動いて外に出ている人という印象があるかとおもいますが
仕事をずっとしている分、仕事終わりの飲み会とか、休みの日の買い物なんかで外を出歩くことが元々少ないので、これまでの生活が徹底された感じです。
あとこれはすごく重要だと思ったのが、「仕事が手につく」って言葉あるじゃないですか、「手に職」とはまた違った意味なんだけど これまでいろいろと血反吐吐くほどトレーニングしてきたんで、もうどこでも出来ちゃうんです。
模型作ろう、グラフィックつくらなきゃ、等々仕事をする上でいろんなタスクが発生するんですけど、「仕事が手についている」と考えたり悩んだりする前にどこでも出来ちゃう。
身体感覚なんだなあと思いました。
その反面、これまで移動が生活のベースみたいなところがあったので、その辺の生活のリズム・身体感覚を埋めるように家の中を歩いたり、人がいない時間に自転車に乗って発散しています。
Q
コロナで「自由に外に出て人に会うことができない状況」になり家にいなくてはならない状況になって、「家」がとても重要に感じるようになってきました。 「建築家」として「家を作る」という行為の意味は変わりましたか?
家が大事だなとみんなが気づけたことはいいことですね。
社会と切断され部屋の中を見回して、自分が好きなもの・必要なものがそれぞれハッキリしたんじゃないでしょうかね。その結果、売れるもの・売れないもの、マーケット自体のバランスが大きく変容したのは周知の事実です。
実際、仕事でする設計で家を担当したことは某ノーマーク小売企業の手がけてる建売住宅シリーズくらいなんだけど、、、元々、心地よく整理されたものが好きなので、自分のする設計行為の意味は変わらないですね。
Q
自分の身の回りで仕事がなくなった人間がいたり潰れてしまった店がありますか?
資本が不安定だし、これまで五輪に向けて動いていた投資なんかもかなりバランス崩している状態なので
今後、仕事が続けられるのか、自分自身不安です。建築は大きな額が動くマーケットで、ある種、元手があることを前提とした産業。社会がどのように変化するかを見極めていく必要がありますね。
それこそ、現場にいると毎日ピリピリした未来への不安が漂っています。みなで一日一日を安全に気を付けながら仕事が出来ることがこれほど美しいことかと単純に日々ムネアツになっています。
東京にいないのでなじみの場所とかお店がどうなっているかは本当に心配。久しぶりに戻ったらあるはずの場所に無くなっていて悲しい、、という夢を見るくらい。
この状況の中で、物が立ち上がっていく光景には勇気を貰わざるを得ない
全国の建設業従事者は約500万人、短期労働者も多い業界なので数字はより大きいものになり、その収益で生活している家族も考えると人口の10%ほどに上るのではないか。
みんなが建物を利用するころには、この人たちはそこにはいないので、その存在は見えにくいが、僕は安全に頑張る彼らの為にも働いている。
Q
コロナの存在は建築の設計に何か影響を与えましたか?(風通しを良く設計するなど)
また、今後の建築設計も変わっていくと思いますか?
まだ具体的な影響は出ていないと思います。近代建築がいかに結核や大衆の健康を考慮したかという記事が出てましたが、一つ抜けているのが欧米の典型的な建物との比較だと思います。
基本的に組積造(レンガや石を積み上げた建物)の建物が古くから一般的だった欧米の建物、特にお城の周りなんかは敵が入ってきても真っすぐ最短で抜けられないように入り組んで出来ている。この建物と都市構造の典型的な様式を想像すると、確かに風が抜けなそうだなと思うでしょうね。建物だけでなくて、産業革命後の人口集中したロンドンではペストが問題となって、衛生改善の為に下水道工事を始めています。
本来日本の家は、紙で仕切るくらいの鬼畜風通し良好住宅(激寒)ですから、風通しという面では先進国であったはずですが、現在の街に日本らしい建物なんて一っつも残ってないことからも、ポテンシャル潰しちゃっているんです。
風通しを良くするということは空隙を多く設けることです。高度経済成長以降のイケイケドンドンな日本にロマンスを感じる面もありますが、「健康であること」を選択した場合、街の表情は変わっていくでしょう。
東京において「ソーシャルディスタンス」というニューワードに対抗する概念は「地価」「投資効率」「人口密度」です。これまでの都市計画は、局所的に人を集めることで、その場所の土地利用の効率を上げていくものです。その結果、人々に「便利な生活」と「素敵な夜景」を提供してきたわけですが。
おい!離れろ!ということは、単純に10平米の広さの中にいることの出来る人が少なくなるわけで、これまでの仕事の仕方だと効率が下がるわけです。
そういったどうにもならなそうな仕組みを手のひらサイズで考えるきっかけが、「家」だと思うので。 断捨離建築家が増えていくんですかねw
Q
建築家という観点から今後のクラブやライブハウスの設計で解決できる方法はありますか?
難しい質問ですね。アイちゃんと一緒にやっているパーティーの名前がBreathlessだからね笑
専門家が下手なこと言って叩かれる世の中なので、ここからは小さい声で書きます。。。ほにょほにょ
だいたいのクラブ・ライブハウスは音の問題から地下にありますからね。まず同じ場所でやるには、高いハードルがあります。(→音漏れ・振動問題は解決方法があると思う)場所をうつせないとするなら、換気能力・気積・人口密度・接触面積・おトイレ、現状のコロナに関していくとこの5つが感染経路のポイントかと思います。
・換気能力
能力が高いものに課金可能です。
またこまめな掃除・メンテナンスを怠ると確実に能力が落ちるので気をつけましょう。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/air/guide/support/knowledge/detail_01.html
・気積
これは先ほどの問いにもつながります。
簡単に上の階とぶち抜いて気積を倍に出来ればいいのですが、コストメリットは低いです
飛沫物のシミュレーション
https://www.youtube.com/watch?time_continue=6&v=vBvFkQizTT4&feature=emb_logo
・人口密度
飲食店が使用不可な机を作ったり、小売店がレジ前に並ぶマスをつくったりするような、
ソフト面の管理が必要です
http://www.biodic.go.jp/reports/2-2/aa026_001.html
・接触面積
飛沫感染に比べ接触感染は低いでしょうが、トイレや入口のドアは皆が触ります。
防音自動ドアかドアマン的なロボットに課金です。
自動ドア https://www.nabcosystem.co.jp/products/hermetic/bk3/
・おトイレ
掃除をする人も十分に気を付けながら、こまめに掃除です
https://news.yahoo.co.jp/byline/katoatsushi/20200505-00177097/
誤解のないように言うと、僕もみんなで握手したりハグしたり、酔っ払って いつものしたいです。
PHOTO @Kiyuu
Q
経済的なダメージもある中で建築設計の需要は減っているのか、それとも他の現象が起きているのか?
コロナの登場で建築業界的に変わったことはありますか?
短期
少なくとも現在、止まっている現場は多いですが、難しいのが設計者・施工者・クライアントのうち、止める決定が出来るのはクライアントです。
安全を見て止めたいと思っても、クライアントの一存ですし、止まると職人の仕事が無くなってしまうので大問題です。
仕事を続けるほか選択がないなかで、現場でも日常でも全く気が抜けないのが現状
中長期
1~2年後にダメージが来るでしょう。
まず、仕事を依頼する人がいなくなれば、必然的に仕事はなくなります。
おそらく、その代わりを担うライバルがホームセンターです。
Q
ソーシャルディスタンス / オンライン通話 など物理的に会ったりできなくなったことでの精神的な距離感を感じますか?それは余計に愛おしくなった、楽になった部分もある、など。
完全に愛おしくて・楽ですね
コロナがなかった頃からの癖で、手紙もなかった時代・今考えるともっと理不尽な理由で人と会えない環境にいた人なんかを想像するんです。それでもやってきたんだな人間って。
という少しノスタルジックな風にも捉えられますが、なんか人類の太さと変わらなさを考えてスッとするんです。
幼少期から親の都合で引っ越しが多かったので、自分の手の届かない範囲で環境がグルグル変わるんですよ。それが当然で育ったから、多分環境適応能力はA5ランク男子です。
Q
インターネットで見つけられるものでオススメのものはありますか ?
HARD OFFのネットショップ NetMALL
https://netmall.hardoff.co.jp/top/CSfTop.jsp
やっぱり買い物の楽しさってランダム性だと思うんですけど、このサイトは全国の店が仕入れた
セカンドハンズが逐次アップデートされるので、結構ダラダラとウィンドウショッピング出来ちゃう。
cametan
WEBCAM HOPPER
https://www.webcamhopper.com/japan/
EARTHCAM
富山の街中には本当に人がいなくて、ちょっと不安になるし、東京とかほかの町の様子が全く分からないので、日本全国・世界各地の様子をwebcamで見ながら安否確認・脳内旅行をしています。
ゴジラシリーズ
ほとんど全ての動画配信サービスで見れる。
もともとは伊福部昭のテーマ曲が素晴らしいなと思って、ここ最近聞いていた流れで過去作を見始めたが意外と啓蒙的。
①いい感じにダサい
②何故か都市部が狙われる
③日本の現場・官僚・メディア報道のズレが見て取れる
④目に見えないコロナ=目に見えるゴジラと置き換える
パラパラおじさんのひと言
地味に楽しみにしている自分がいる
Q
今配信をするお店やアーティストがどんどん増え続けています。
DJとして、配信やMIXをあげることについてどう思っていますか?
歴史の中でも、その時代への対応が方法となってアートを爆進させてきたことは事実です。
僕も配信やミックス提供をいくつかやっていますけど、難しいですね。まだコレだという方法が見つからない。
現場にあるライブ感や、実際の空間にこれまで助けられてきたんだなと再認識すると同時に、
そういう、「その場所にしかない質」みないなものを、どうやって伝達するかを考えると、方法が見つかるのかもしれません。
よく考えるとディスクジョッキーとしてのDJって、ラジオで曲をかけておしゃべりする人でしたよね。w
Q
最近何か買いましたか?
仮の住まいかもしれないので、極力物を買わないように過ごしている
お酒のプラスチックケース、現場にあった木の板など、次に引っ越しする時に「返せる」ものを家具にしている。
あとは土嚢とかホームセンターに売っている安い農業グッズなんかを使って、クッション・照明・プランターを作って遊んでる。
これは「有事の時に役に立つインテリア」という俺得アイデアです。
その他はハーブの苗と野草とかの図鑑と、今は釣り具を買おうか悩んでますw
深く考えてなかったけど、なんかあったときの自給自足みたいな意識が働いているのかも
土嚢シリーズ連作 左上から 食品入れ・ランチョンマット・クッション・ランドリーバッグ
土嚢シリーズ ランプシェード
Q
コロナ収束後の世界はどうなっていくと思いますか?
シンプルに考えると
①これまでの生活に戻そうとする動き、②この期間の経験を生かして生活を変えようとする動き
この2つの動きのバランスを図りながら時間をかけて①に寄って行くのが大きな社会の流れかと思います。その中で大切なのは、この時間で向き合った自分や身の回りの物事に対する実感を失わないことかと思います。
Q8 ご自身の活動は変わっていくと思いますか?
確実に変わると思いますが、どう変わるかは本当にわからない。
今は心の茶室のなかで待ちながら、、、と思ったら政情がやばいので、ちゃんとwifi完備の茶室で待ちます。
Q
こういうのあったらいいなーとかってありますか?
ワクチン一択
Q
今、どんなサービスがあったらいいと思いますか?
・実家とか東京の家にVRで忍び込んでコレとコレ!ってマーキングしたら自動で宅配してくれるサービス
・VRで陶芸とかの工芸作品のレッスンを受けながら制作して、出来上がった作品が送られてくるサービス
Q
今何か告知することやメッセージなどあればお願いします。
元気に会おうぞ!
こちらで何か出来たらと、いろいろ企んでいるので赴任期間中にリリース出来たらいいな~
shunhor [euphony / Breathless]
黒のリズム、楽園からの愉悦の香り
奏者の息遣いから無機質な機械音、様々な音の大陸を波動に乗ってクロスオーバーし、渡航感と多幸感が入り混じった空間を創る。
Kaoru Inoue, maaと共にAOYAMA ZEROにて隔月第一日曜日に開催するEuphony, AI.U・Liberateと共同結託する神出鬼没演会 Breathless を根城に、都心以外での活動も積極的に行う。
現在は仕事の都合で富山を拠点にしている。
Rhythm of darkness, the sensual odour from shangri-la.
The space / sounds he creates, crossover among all the diverse sounds from player’s breathing to cold machine-sounds.
Regular Pary as Euphony @AOYAMA ZERO with Kaoru Inoue+maa, and Breathless @ no where in somewhere with AI.U+Liberate、besides these regular party in Tokyo, His music activity occurring all among the continent.