Screw from shelf
#2 ONI AYHAN / OAR004B
自宅の棚から納得がいくスクリューを発見できたときの喜びは格別だ。その曲が貴方のツボだったら軽い奇跡体験かもしれない。永らく聴かなくなったレコードが再び息を吹き返しターンテーブル(ブース)へ帰ってくるのだ。
聴かなくなったレコードを売ろうとしている方へ、一旦足を止めて今一度そのレコードを一枚一枚確認してみてほしい。きっと今まで以上に貴方と仲良くなれる盤と出逢えるはず。
ONI AYHAN / OAR004B
スウェーデン人DJのOni Ayhan
セルフスタンプレーベルからのリリース。
Oar001から同004までのシリーズモノでテクノではあるものの、どの盤も実験的でミステリアス。
004のB面トラック、テクノ寄りではあるが4つ打ちの強目のアタックなどは殆ど無く民族楽器音を多用していてパーカッシブ。随所でビートを抜いてくる箇所もあることでエキスペリメンタルな雰囲気を纏っている。
この盤をスクリューする。
45rpm(BPM121)
↓
スクリュー
↓
33rpm(BPM90)
元トラックの泥っぷりが更に深まり、横に伸ばされて沼になっている。テクノ感もさっぱり消える。
民族的なパーカッション勢も重たく伸ばされて実際の時間経過が遅く感じる。随所に入るノイズやエフェクト、ドローン的な上音で呪術的な要素が増してくる。遅くなることで隠れていた低音が姿を現す。
何処かの南国での奇祭や儀式を気づかれないように木隠れしながら覗いている気分になれる。
およそ18分に渡るスピリチュアルスクリューの大作。
ちなみにA面(Oar004A)のテクノトラックもシンプルかつメタリックな電子音とハイハットが高速で織りなしており、作者のミステリアスな感性が散りばめられている名曲。
まだelevenがあった頃Francois Kが朝6時過ぎにこのトラックをプレイしていたことを思い出す。こちらの曲もスクリューで聴くことをオススメできる。ただ個人的に45rpmの方が好み。
adak7(garden)
東京都出身。
テクノをスクリューで歪ませ、ドローンやフィールドレコーディングなどをコラージュする実験的な音楽精神を軸とし、ダンスからエキスペリメンタルまで広く選曲するDJ。
また、Enantiomorphs(olevv×adak7)や
CONC.(olevv×adak7×YELLOWUHULU)などのB2Bユニットでも活動。
https://soundcloud.com/yoshihiko-nakada/adak7live-mix-katharsis-contact-tokyo