Screw from shelf

#3  BABY FORD / W9

 

レコードを購入するにあたって、新譜に関して言うとレコードバイヤーの選盤のフィルターがかかっていると言える。これはレコード屋の特色が出るし、自分が気に入っているレコード屋に関して言うと店側は大きな武器になっている。
しかし世の中には膨大な音楽が日々生まれていて、その広大な音楽の海を自ら深く潜りたいリスナーにとっては、他者のフィルターを介さず自分の耳だけで曲を選べるデータ音源へ移行する理由も頷ける。
だが世の中にはデータで探しても見つからない、Shazamを使っても見つけられない分野がある。それはスクリューである。音は伸ばされ、ドラムが太くなり、原型をあまり留めない。それはレコードのアナザーサイド。ネットに存在せず、他人にも気付かれない。データ音源を遅くしただけでは到底到達できない、自分とターンテーブルのみぞ知る異界。

BABY FORD / W9

フランスのCHLOE主宰のレーベルKARAT RECORDS10周年記念盤にUKのミニマルシーンで活躍しているBABY FORDが参加。独特のグルーヴ感を持つディープミニマルハウス。
これをスクリューする。



45rpm(BPM121)

スクリュー

33rpm(BPM90)

 


シンセ音が鈍くなりディープミニマルからアンビエンスなイントロへ風変わりし、薄めのキックの上に等間隔で低めのヴォイスが配置されている。全体を通してカスタネット(?)のような裏打ちが鳴り続けている。スローになったSEが時折り頭の上を泳いでいる。
スクリューすることで謎のカスタネット様に変化した裏打ちがとても心地よく、疲れた耳を癒してくれる。
ビートはあるものの、かなり耳触りが良くパーティー終盤、チルアウト、就寝前に聴きたい一枚。
原曲との落差がここまであるスクリューもなかなか珍しい。
ちなみにB面のChole - As You Sleepもかなり強烈なスクリュー。太く切れ味のあるスネア、ダビーなディスコトラックに変化し、踊れる。

adak7(garden)

 

東京都出身。

テクノをスクリューで歪ませ、ドローンやフィールドレコーディングなどをコラージュする実験的な音楽精神を軸とし、ダンスからエキスペリメンタルまで広く選曲するDJ。

また、Enantiomorphs(olevv×adak7)や

CONC.(olevv×adak7×YELLOWUHULU)などのB2Bユニットでも活動。

 

https://soundcloud.com/yoshihiko-nakada/adak7live-mix-katharsis-contact-tokyo

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